news

お知らせ

news

【新聞掲載】読書感想画中央コンクールで本校の生徒の版画が優秀賞に選ばれました

2015年2月28日(土)毎日新聞に、読書感想画中央コンクールで本校の生徒の版画が優秀賞に選ばれた記事が掲載されました。

読書感想画中央コンクール 福嶋薫さん 優秀賞

読書の感動を絵画で表現する第26回読書感想画中央コンクール(全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催)の優秀作が発表され、県内からは高校の部で、湯梨浜高2年、福嶋薫さん(17)の「天使とは」が優秀賞に選ばれた。

南米コロンビアのノーベル賞作家、ガルシア・マルケスの短編集「エレンディラ」(ちくま文庫)の巻頭に収められた「大きな翼のある、ひどく年を取った男」を読んで感じた心象を版画で表現した。

27日に東京都・如水会館で表彰式があった。福嶋さんの中央審査入賞は前回の「生きる」に続いて2年連続。小学、中学、高校の部門に全国6,600校から61万6,196点の応募があった。高校の部には461校から前回を1,256点上回る8,858点が寄せられ、文部科学大臣賞1点、優秀賞2点が決まった。

寓話に見る現実 版画に -マルケス短編に挑み-

2年連続の全国入賞。

前回題材の「悪童日記」と同様、ヒントはやはり、自宅にある父親の書棚で見つかった。コロンビアの作家、ガルシア・マルケスの訃報が流れた昨年4月。心突き動かされるままに手に取ったが、古びた文庫サイズの短編集「エレンディラ」だった。

「大人のための残酷な童話」と評されるマルケスの作品。短編ならば」と読み始めたが、難解さは想像以上で理解するまで10回読み返した。背中に翼に翼のある老人が「天使」ともてはやされ、大勢の人々が熱狂する。やがて人々は飽き、老人は厄介者に。人々は次に目新しいもを求める。

現実とはかけ離れた寓話のようにも見えるが、世間が騒ぎ立てたSTAP細胞論文騒動が思い浮かんだ。「これは現代の人間社会そのものではないか」。それをどう表現するか。老人の表情と翼の表現に苦心した。

前回の表彰式で審査員から「次はワンステップ進めて、別の方法で表現したら」とアドバイスされた。「それでも線の太さや細さで細やかな表現ができる版画が好きで、それからは抜けられませんでした」と笑う。哲学や心理学に関心があるといい、人間の内面を巡る旅はまだ続きそうだ。

一覧に戻る